カネ余り、大型買収阻む バフェット氏:株主への手紙で「割安」企業探し困難に!(日経新聞) バリュー専門アカデミーのブログ

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今は割安企業探し困難!

 

先日、米運用会社バークシャー・ハザウェイを率いる著名インベスターであるウォーレン・バフェット氏(88)が毎年恒例の「株主への手紙」を公表しました。

世界中のインベスターたちが注目する内容ですが、今年はどんなことが書かれていたのでしょうか?今回はいつもと違うニュアンスがあり、注目を浴びています。

最近はカネ余りによる価格高騰を受け、割安でないがゆえに、大型M&A(合併・買収)に慎重な姿勢を示しており、

マーケットが過熱している

というメッセージを出しています。

また、なかなかいい運用先が見つからないことから、なんと、手元現預金は約12兆円にまで膨らみ、資金を投じる機会もないことから、手元資金の一部は株主に返す方針であることを示しています。

良い運用機会が無いということは、言い換えれば、お金を増やせるマーケットではないから、株主にお金を返すと言っているのと同じで、バフェット氏の苦境は、

割安な企業を探すインベスターの受難の象徴

にもなっています。

 

今までは、バフェット氏は、「手紙」の中では、強気な言葉が多いことが特徴なのですが、

今回は強気な言葉が影を潜めましためずらし内容となっています。

「長期の展望があるビジネスはあるが、
価格があまりにも高すぎる!」

とのバフェットのコメントの背景は、買収価格の高騰はカネ余りの産物で、競合する買収ファンドや事業会社が低金利を受けて多額の資金を借り入れ、大型買収に動いており、膨張するマネーが、

企業の本源的な価値を超える水準まで
買収価格を押し上てげいる

といえる状況です。

 

バフェット氏のようなバリューインベスターは、個別の調査を通じて割安に放置された企業を買収したり、株式の一部を購入するスタイルです。

しかしながら近年は、カネ余りで多くの企業の株価が上がり、有望な運用先を探すのが困難になっています。

昨年は有力なヘッジファンドが高値での運用による成績不振によりいくつか閉鎖になるなど、インベスターの受難は深まるばかりだ。

「自社株買いを数年かけて大規模に実施することになるだろう」と株主にメッセージを残しています。

また、

「すべての国が繁栄すれば米国はもっと豊かになるだろう。私たちは海外での大型運用を望んでいる」

 

との発言もあり、バフェット氏は名指しを避けながらも、トランプ米大統領の政治姿勢や「米国第一主義」を暗に批判。

バークシャーの成功は米国経済の成長のおかげとしたうえで、「米企業や個人が『自分だけでなし遂げた』と主張するのは傲慢だ」とも指摘していました。