なぜ?世界NO1インベスターであるバフェットが「投信を買ってはいけない」と忠告するのか?

バリュー投資アカデミー ブログ

 

これは、有名な話ですが、バフェットは、投資信託のパフォーマンスについてかなり批判的なコメント続けてきたため、投資信託の大物経営者から、勝負を挑まれました。

その内容について、株主宛に送られる「バフェットからの手紙」で報告されています。

この賭けは2007年に某ファンドの経営者と100万ドルをかけた真剣勝負に発展しました。
そのファンドがは、選りすぐった5本の個別投資信託(ファンド・オブ・ファンド)を選びました。

バフェットは、その5本よりも、米国の代表的株価指数であるS&P500に賭けました。

 

結果はどうだったと思いますか?

結果は明らかでした。

10年間でS&P500が125.8%と、約2.3倍昇したのに対して、5本のファンドのうち成績の良いものでも87.7%しか増えず、結果としては、2.8%の増加と散々樽結果で、バフェットが圧勝しました。

もし、バークシャーの運用成績と比較したら目も当てられない悲惨な結果である。

 

実際には途中からいろいろな事情でこの賭け金をバークシャーの株式で運用したため100万ドルが、222万ドルにバフェットはなりました。

この結果からも、投資信託・ファンドは投資家が資産を増やすために存在するのではなく、ファンド・マネージャーや運営会社などが運用成績にかかわらず、手数料などで自分の懐に札束を詰め込むために存在するのだとばっさり切り捨てています。

 

ちなみに、過去の「バフェットからの手紙」では、遺産相続にも触れていますが、現金や米国債以外は、手数料の安いS&P500連動のインデックス・ファンドで運用するよう記載されています。

インデックス・ファンドは、各市場の平均株価や債券指標など、主要指標の構成と同じ資産構成で運用し、指標連動した運用成績を目指す金融商品です。

ではなぜ?

一般的な投信・ファンドはダメでインデックス・ファンドなら良いのか? 一般的な投信は手数料負担が大きく、特にファンド・オブ・ファンドなどの手数料二重取りの場合は、手数料で負けてしまうからです。

そもそもファンド・マネージャーの運用能力よりも「サルの方が勝る」。このことは行動経済学的に確かめられています。

ノーベル経済学賞を2002年に「プロスペクト理論」によって受賞し、「行動経済学」の第一人者であるダニエル・カーネマンの「ファスト&スロー」という著書で紹介されています。

彼がその本で紹介していますが、50年間にわたるデータを基にした調査によれば、投資マネージャーの運用成績はサイコロ投げにも劣る。この調査によれば少なくとも投信・ファンドの3件に2件は、市場全体のパフォーマンスを下回っていた。

サルに任せるか、あるいはコイン投げで運用した場合の的中率5割の方がましという残念な結果でした。

さらに、カーネマンが某金融機関運用マネージャー25人の8年間の運用成績を研究した結果は、「1年目と2年目、1年目と3年目……7年目と8年目まで28組のペアをつくって求めた相関係数は、0.01であった」と紹介されている。

かなり専門的な話ですが、要は、これらの運用成績に相関関係は無い、つまり担当者のスキルによる運用成績への影響はゼロという結果になったのでした。

投信を販売している企業にとって「真実」など邪魔者でしかないという結論になっています。

特にファンド・マネージャーは高給取りで有名で、コストが高いわけです。

それに対して株価連動のインデックス・ファンドは、米国株式や日本株式の市場の価格が長期的に上昇し続ける限りその価格に連動するので、安心して持つことができ、ファンド・マネージャーの手腕や高額な手数料に煩わされることも無いから優位性があるとバフェットは考えています。

 

バフェットは今後の米国についてどのように考えていると思いますか?

過去米国株は、歴史的に上昇トレンドでしたが、今後はどうか?

バフェットは、遺言の中で、米国債以外には、インデックスファンドを買うよう指示しており、今後も米国は長期的に成長するという見方をしているようです。残念ながら、日本株については、バフェットは何も言わないのですが・・・。

 

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